犬の欲求について
犬が犬らしく生活するために必要な事
犬は寝床と食事を提供してもらい、
散歩に行くだけの毎日では満足出来ません。
犬が犬らしく豊かな生活を送るためには、
日常的な世話の他に、
最低限、次の7つが必要だと考えられます
①快適な生活空間
②臭いを嗅ぎたい欲求
③かじりたい欲求
④社会的な関わり
⑤エネルギーを十分に発散させる
⑥体を健康に保つ
⑦犬の個性の尊重
これらが出来ていれば、犬はストレスも少なく、
のびのびと生活できるでしょう。
犬との生活はギブ&テイクで
犬があなたの言う事を聞くのは、
それだけ得るものが大きいからです。
犬への不満を口にする前に、
まずはあなたから一定水準の生活を提供し、
愛犬の生活が楽しく満ち足りたものとなるように
努力する事です。
そうすると犬は、時には予想以上の奉仕をして、
あなたを喜ばせてくれるものです。
犬の欲求について
①快適な生活空間が欲しい
狭い、暑い、汚いなど落ち着かない空間にいる事は、
犬にとって大きなストレスになります。
広さ
狭いケージに長時間閉じ込められっぱなしでは
ストレスがたまります。
長時間留守番をさせるなら、部屋でフリーにさせるか、
サークルで囲った広めのスペースを用意し、
ある程度動き回れる空間を作ってあげて下さい。
温度
犬種や年齢にもよりますが、
一般的には人間よりも暑がりです。
湿度
ジメジメした場所は犬も苦手です。
ハウスは風通しの良い場所に置いて下さい。
騒音
聴力の発達している犬にとって、
大きい音はかなり気になるものです。
吠えたり、怖がったりするようであれば、
窓を閉めるなどして、
なるべく音から遠ざける工夫を。
②臭いを嗅ぎたい
犬にとって臭いを嗅ぐ事は、とても強い欲求です。
犬の嗅覚は人間の1000倍以上と言われ、
臭いを嗅ぐ事で、様々な情報を得ているのです。
ですから、散歩に出かけたら、
存分に臭いを嗅がせてあげて下さい。
ただし、臭いを嗅ぐ場所は、あなたが選んで下さい。
拾い食いしそうな場所や、マーキングしそうな所は避け、
安全で周囲に迷惑をかけない場所で、
気の済むまで臭いを嗅がせてあげて下さい。
草むらで臭いを嗅がせると
伝染病がうつると心配する人もいますが、
きちんとワクチン接種を受けてうれば、
その可能性はほとんどありません。
③かじりたい
「かじりたい」という欲求は犬にとって大変
強いものです。
特に子犬は好奇心が強く、
また歯の生え変わり時期のムズムズ感もあって、
この欲求は強くなります。
子犬には、
思う存分かじっていいおもちゃを与えましょう。
十分にかじる欲求が満たされていれば、
むやみに部屋の中のものをかじったり、
イタズラする事も減ります。
④人や犬と関わり合いを持ちたい
犬は常に他の犬や人と関わりながら
生活したいと望んでいる動物です。
声をかけたり、触れたり、抱きしめたり、遊んだりと
たっぷりとコミュニケーションをとる事が大切です。
また、散歩に行った時は、他の犬と遊ばせたり、
家族以外の人ともコミュニケーションを
とらせてあげましょう。
ただし、他の犬や人が苦手な犬もいますので、
そういう場合は無理に接触させる必要はありません。
⑤エネルギーを発散させたい
犬種にもよりますが、犬はかなり体力がありますし、
疲れるまで存分に体を動かしたいと思う動物です。
まだ若い、2歳くらいまでは、1日1回は、
「肩でハアハアと息をして、口を開けて舌を出し、
舌の上には白い泡が出る」
くらい疲れる運動をさせるのが理想的です。
しかし、毎日そこまで運動させるのは現実的には
難しいと思います。
あなたが忙しくて平日は無理だとしても、
休日にはたっぷりと運動させる時間を
とれるように工夫して下さい。
また、体だけでなく、
頭を疲れさせる遊びをする事も大切です。
体力的な欲求を満たす運動ばかりしていると、
犬の運動量がエスカレートし、
あなたがついていけなくなってしまう事も
考えられます。
体と頭をバランス良く使う事が健全な成長を促します。
⑥健康でいたい
健康であるかどうかは、
何よりも優先的に考える事です。
犬は言葉で痛みを訴える事が出来ないので、
あなたが体を触ったり、行動を観察する事で
気付いてあげなければなりません。
ブラッシングの度に嫌がると思ったら体に傷があった、
排泄の失敗が多いと思ったら泌尿器系の病気が
あったなど、
問題行動だと思っていた事が、
実は病気や怪我だったという事があります。
犬の様子がおかしいと思ったら、
すぐに病院でチェックしてもらいましょう。
また、狂犬病ワクチン接種、混合ワクチン接種、
フィラリア予防などを徹底し、
重大な病気から愛犬を守ってあげて下さい。
⑦個性を尊重して欲しい
人間と同じように、犬もそれぞれ性格や能力が違います。
それぞれの性格をよく理解して
つきあっていく事が大切です。
また、一般に短所と思われるような事でも、
日常生活に支障がないならば
無理に直す必要はありません。